運用変更情報'2010 | (2010年3月改正分) | |
Information for the car rescheduling. | timetable reverion at March 2010 |
目次 |
車両運用は変更される場合があります。荒天や事故でダイヤが乱れたときはもちろんのことですが、定期的な車両の検査でほかの車両が代走したり、新車投入や車両の転配属によりダイヤ改正を経ずに運用が変更となることもあります。
このページでは、現状確認されているJR東海名古屋地区の運用変更情報について簡単にまとめました。なお、情報をお持ちの方は運用情報掲示板までご一報ください。
重要なお知らせ
JR東海では2011年3月12日にダイヤ改正を行いました。主として東海道線の運用に変化が出ています。ここに記載の情報とは異なる場合があります。2011年度の変更は、付属ブログで順次追いかけています。運用変更・車両の動きに関する一覧は、車両の動き 記事一覧をごらんください。
車両の編成は、実際に使う編成数(運用数)より多く配置されているのが一般的です。事故があった場合や車両が故障した場合のほか、車両は定期的な検査が義務づけられているため、予備編成を確保しています。
しかし、車両形式によっては予備編成を持たず、他の形式や番台区分で代走を行うものがあります。JR東海は車両運用の効率化のため、複数の形式・番台区分にまたがる共通予備編成を持つケースが多々あり、検査時など通常の運用と異なる編成が定期的に見られます。共通予備編成は次のような車両編成に設定されるようです。
所属区所 | 大垣車両区 | 神領車両区 | ||
---|---|---|---|---|
形式 | 211系0番台 | 313系5000番台 | 313系1000/1100 | 313系1500/1600 |
在籍編成 | 4両×2編成 | 6両×12編成* | 4両×5編成 | 3両×7編成 |
代走形式 | 311系 | 313系0(4両)+ 313系300(2両) | 211-5000(4両) | 313-1700 |
備考 | 313系5000番台は2010年8月に1編成追加。 |
JR東海の211系といえばロングシートの5000番台が多数を占めますが、セミクロスシートの0番台(4両編成)も在籍します。ただし、その本数たるやC1編成・C2編成のわずか2編成で、国鉄時代から現在に至るまでその本数に変化がありません。かつ、他の形式と共通運用を組むこともなく、岐阜から掛川にかけて普通列車として運用されています。この運用は2つあるため、予備車がありません。そこで、検査時等には311系(4両編成)で代走が行われます。
なお、JR東海所属の211系0番台は、1999年にヨーダンパ取り付け・ブレーキ強化の改造を受けています。これによって、120km/h走行が可能となり、311系とほぼ同一性能となっています。
2011年3月改正にともなう動き
ダイヤ改正にともない211系0番台の運用に動きが出ている模様です。新快速運用が確認されている一方で、運用が日によって変わっているとの情報もあります。詳細が判明次第お知らせする予定です。
313系5000番台は、2006年に投入された車両で、主として東海道線の快速系統に用いられています。それまで、東海道線の快速は4両編成(313系0番台)が基本で、慢性的な混雑が続いていました。この混雑緩和のため、313系初の6両固定編成として投入されたのが5000番台です。基本性能は313系従来車と変わらないものの、近郊車では珍しい車体間ヨーダンパ・セミアクティブサスペンションを採用し、高速運転に重きが置かれています。また、これまで車端部やドア付近などの一部固定であった転換クロスシートをすべて転換可能とし、居住性にも力を入れた車両と言えます。
さて、2006年に投入された5000番台はY101編成からY112編成まで全12編成でした。これに対し運用も12本で予備車がないことになります。5000番台は6両編成ですので、検査時などには、4両編成(0番台)+2両編成(300番台)のセットで代走し、場合によっては2両編成が3本連なった6両での代走もあります。12編成と比較的在籍本数が多いため、検査ローテーションの関係で代走することが多く、運用調査泣かせでもありました(苦笑)。
この状況が4年ほど続きましたが、2010年に313系4次車の増備が開始され、5000番台はY113編成を追加し、2010年8月より運用を開始しました。これで5000番台は予備編成が確保されることとなり、他番台による代走は数を減らしています。ただし、検査が重なることもあるようで、代走がなくなったとまでは言えないようです。
313系1000番台は中央線向けとして神領区に配置されている4両編成です。0番台の転換クロスシートを基本に、車端部のみをロングシートとしており、混雑の激しい中央線に対応したものとなっています。1999年に1次車として配置されましたが、もともと中央線はロングシートの211系5000番台が幅を利かせており、置き換え対象車両も少なかったことから、B1編成からB3編成までのわずか3編成の投入に留まりました。
続いて2006年には1100番台が2編成投入されます。行先表示器のLED化・トイレの大型化などの仕様変更により番台に100が付加されましたが、基本構成は1000番台とほぼ同じです。編成番号も1000番台の続き番号であるB4・B5編成とされました。1000番台と1100番台の違いの詳細は拙サイトのレポートページをご覧ください。
さて、1000番台と1100番台は区別なく共通運用とされ、主として211系5000番台と併結して運用されています。1000/1100番台ともに在籍本数が少なく、両番台合わせても5編成しかありません。このため、予備車は用意されることなく5運用あり、検査時にはオールロングシートの211系5000番台(4両編成)が代走します。以下に313系1000/1100番台運用ダイヤ図をPDF形式で示します(ご覧になるにはAdobe Readerが必要です)。
…と、先日ここまで書いたところで、9月末この運用変更に変化が起きました。2010年に大垣車両区にも0番台の後継として、東海道線向けの1100番台(J編成)が投入されましたが、このうち1編成が神領車両区1100番台の代走を行いました。珍しい神領所属車との併結も行われ、これが暫定的なものか今後も行われるのかは不明ですが、もしかすると211系による代走は解消するのかもしれません。
2011年3月改正にともなう動き
ダイヤ改正が実施されましたが、中央線の運用に大きな動きはない模様です。313系1000/1100番台については、以前と同様に211系での代走が確認されています。
上記の313系1000番台を3両編成としたのが1500番台です。4両編成の1000番台と同様に、1999年に中央線向けとして神領区に配置されました。配置は3編成(B101〜B103編成)と少ないのも1000番台と同じです。この編成数ですから、当然予備車はなく、1000番台と同じく検査時には211系5000番台(3両)で代走が行われました。ただし、1000番台で代走する211系の4両編成とは異なり、211系3両編成にはトイレがないので、トイレが必要な列車には代走時を考えてトイレ付き編成と併結するよう配慮されていたようです。
番台区分 | 1500番台 | 1600番台 | 1700番台 |
---|---|---|---|
投入年度 | 1999年 | 2006年 | 2006年 |
在籍編成 | 3編成 | 4編成 | 3編成 |
主要運用線区 | 中央線・関西線 | 飯田線 | |
運用数 | 7運用 | 2運用 | |
予備編成 | なし | 1編成 |
この状況は、2006年に3次車が投入されて変わります。表に示すように、1100番台と同様の仕様変更を受けた1600番台が4編成(B104〜B107編成)追加されたほか、発電ブレーキ・半自動ドア・スノープラウなど山岳・閑散路線向けの1700番台3編成(B151〜B153編成)が新たに投入されました。
1600番台は既存の1500番台と共通運用となり、中央線ではもっぱら211系5000番台と併結運用(6〜10両編成)するほか、関西線でも運用を開始しました。ただし、計7編成に対し7運用で、やはり予備編成がない状況には変化がありません。一方、1700番台は飯田線とJR東日本を乗り入れ運行する「快速みすず」を中心に運用され、こちらは3編成に対し2運用で1編成の予備があります。そこで、この1700番台の予備編成を、1500・1600番台でも使える共通予備編成としています。つまり、1500・1600番台が検査等で不足すると、1700番台による代走が行われます。もっとも、1700番台は1500・1600番台と大きな違いはないので、代走自体に気づきにくいのですが、クモハ313のダブルパンタや車内の吊り広告が長野県のものであるなどの違いが見られます。
ところで、1700番台は3編成に対して2運用しかありませんから、1編成が神領区で休んでいる姿が日常的に見られ、他の番台に比べて走行距離が短くなります。そこで、走行距離に偏りができるのを防ぐため、1500・1600番台が不足していない状況でも1700番台が代走したり、211系(3両編成)の代走に入ることもあるようです。
JR東海はこれまで旧型車両(国鉄型)の置き換えとして、313系電車を1999年より3次にわたって計391両を投入してきましたが、さらに120両の313系を平成22年から25年にかけて投入することを発表しています。これにより、大垣車両区在籍の117系・119系を淘汰し、ほぼすべての自社形車両置き換えが完了する予定です。このうち、2010年10月までに44両の313系が新製されています。4年にわたっての投入となりますので、まだまだ本格的な置き換えには至っていませんが、一部運用にも変化が出ています。
ところで、313系は非常に多くの番台区分があることでも知られています。313系の番台区分と投入年度を表にしてまとめてみました。番台の千位が車内仕様を示し、大きな区分として分けられます。これに加え、編成両数による搭載機器の違い、発電ブレーキ搭載の有無、3次車以降の仕様変更(行先表示器のLED化など)によって、さらに細かく分類されます。また、表に示した番台は俗称で、クモハに付けられた番台を示しているに過ぎず、クハなどには別の番台区分が与えられることもあります。
番台区分 | 車内仕様 | 投入年度 | 所属区所 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
1999年 (1次車) | 2000年 (2次車) | 2006年 (3次車) | 2010年 (4次車) | ||||
0代 | 4両 | 転換クロス (車端部固定) | 0番台 | - | - | - | 大垣区 |
2両 | 300番台 | - | - | - | |||
1000代 | 4両 | 転換クロス (車端部ロング) | 1000番台 | - | 1100番台 | 1100番台 | 神領区・大垣区 |
3両 | 1500番台 | - | 1600・1700番台 | - | 神領区 | ||
2両 | - | - | - | 1300番台 | |||
2000代 | 3両 | ロング | - | - | 2500・2600番台 | - | 静岡区 |
2両 | - | - | 2300・2350番台 | - | |||
3000代 | 2両 | セミクロス (ボックス+ロング) | 3000番台 | - | 3100番台 | - | 神領区・静岡区 |
5000代 | 6両 | 転換クロス (全転換) | - | - | 5000番台 | 5000番台 | 大垣区 |
2両 | - | - | - | 5300番台 | |||
8000代 | 3両 | 転換クロス (セントラルライナー用) | 8500番台 | 8500番台 | - | - | 神領区 |
さて、4次車となる今回の投入ですが、1000代と5000代の投入が進んでいます。これまで、0代・5000代が東海道線名古屋地区用、1000代が中央線名古屋口用、3000代がワンマン運転用になっていましたが、今回の投入では1000代(4両編成)が大垣車両区に配置され、東海道線でも運用されることになったのが特徴的と言えるでしょう。また、すでに置き換え車両のない神領車両区にも1000代(2両編成)が配置されており、運用先が注目されます。
複雑な番台区分の313系の中でも、もっとも多数の形式を持つのが1000代です。4両編成・3両編成、1次車・3次車の区別、山岳路線向けなどの番台区分により、実に14形式があります。4次車では新たに2両編成の1300番台が加わり、2形式が追加となりました。転換クロスシートを基本に車端部ロングシートとした1000代の車内仕様を2両編成で構成したうえで、4次車共通の小変更が加えられました。優先座席のカバーやシート地をオレンジ色にして明確化し、付近のつり革もオレンジ色で塗られています。また、握り手の増設、出入口付近に黄色の識別帯を設けるなど、バリアフリー対応がメインの変更がなされています。鉄道ホビダスに車内の写真がありますが、オレンジ色のシートはなかなかインパクトがありますね。
下図に機器構成や艤装を示します。クモハ313形1300番台は、パンタグラフを2基装備し、発電ブレーキを搭載しているのが特徴です。半自動ドアも備え、閑散線区での運用を考慮しているといったところしょうか。一方で、1700番台に見られたスノープラウや増粘着装置はなく、雪対策や急勾配対策までは施していないようです。また、ワンマン運転設備も準備工事に留まっています。
ところで、この編成に組み込まれるクハ312形1300番台は、はじめて1000代を名乗るクハ312です。1000代の特徴は車端部にロングシートがあることですが、図を見てもおわかりのように、クハ312には運転席やトイレがあるためにロングシートがありません。このため、これまでは1000代のクハには0代(0番台や400番台)としていました。これは同時に増備された1100番台も同じです。しかし、こちらに限ってはクハも1300番台と付けられています。ワンマン対応準備車であることが影響しているのでしょうか。ちょっと謎です。
←中津川 | 名古屋→ |
クモハ313-1300(Mc3) | クハ312-1300(Tc'2) |
VVVF・SIV(80kVA)・ブレーキチョッパ・抵抗器 シングルアームパンタ×2 | CP(1000L/min)・BT |
定員:141(着席48) 転換クロスシート・車端ロング | 定員:134(着席40) 転換クロスシート・トイレ |
編成番号 | クモハ313 | クハ312 |
---|---|---|
B401 | 1301 | 1301 |
B402 | 1302 | 1302 |
B403 | 1303 | 1303 |
B404 | 1304 | 1304 |
備考 | 投入年度は2010年 |
1300番台は神領車両区に4編成8両が配置されました。神領区の313系はすべてB編成を名乗っていますが、1300番台にはB401からB404までの編成番号が与えられています。2010年6月に新製されたのち、暫定運用として7月初旬から9月中旬にかけて、2編成をペアとして4両編成を2本組み、117系の運用に入っていました。この時期に117系を1本捻出し、『そよ風TRAIN117』に改造されています。大垣車両区に1100番台(J編成)が配置されると117の代走運用は終了し、代走は311系に代わっています。その後、しばらく運用に就くことなく神領区に留置されていましたが、10月中旬から213系が運用されていた中央線・関西線の一部列車に充当されています。以下に313系1300番台・213系運用ダイヤ図をPDF形式で示します(ご覧になるにはAdobe Readerが必要です)。
さて、1300番台が入った神領車両区は、国鉄形の車両がすでに淘汰されており、更新する車両がありません。現在のところ運用は暫定的なもので、4本ともに運用に就いているものの、ラッシュ時だけの運用が多く、大半は昼寝をしている状態です。今後、ダイヤ改正を経て本格運用に入ると思いますが、どのような運用がなされるのか注目されることころです。
2011年3月改正にともなう動き
ダイヤ改正が実施されましたが、313系1300番台は改正前と同様の暫定運用で変化がないようです。一方、313系1300番台に運用を譲った213系4編成は1月より順次近畿車輛で改造を受けています。おそらく、改造にあたり不足する213系の穴埋めとして、313系1300番台を先行投入したものと考えられます。
5000代は主として東海道線(名古屋地区)の快速系統に使われる車両で、2006年に6両編成が12編成投入されました。それまで同線の快速系統には転換クロスシート仕様の313系0番台が使われていましたが、乗降ドア横の座席は固定シートとされており、結局座席の半分は向かい合わせになる構造でした。これに対し5000代はすべての座席を転換可能とし、向かい合わせを解消しています(右図)。このほか、アクティブサスペンションや車体間ヨーダンパを備え、高速運転時の乗り心地を向上させています。
今回の投入では、6両編成を1編成(Y113編成)を増備したほか、新たに2両編成を1編成(Z1編成)新製しています。ともに4次車の仕様変更がなされているのは1300番台と同様です。6両編成はこれまで予備編成がありませんでしたが、今回の増備で解消しています。
2両編成は新たな区分番台としてクモハ313形5300番台を組み込んでいます。313系の機器構成は4両または2両を基本としており、補助電源装置(SIV)を搭載するクモハ313は編成両数によってSIVの容量が異なるため、違う番台区分が与えられています。一方、クハ312形は6両編成と機器仕様の差はないため、6両編成と同じクハ312形5000番台となっています。また、2両編成は車体間ヨーダンパを装備していません。
下表に5000代の編成表を示します。6両編成(Y編成)と2両編成(Z編成)は、クハ312の車番が続き番号になっていますが、2両編成のクハ312が5018で5014から5017までがありません。今年度の投入になるかどうかはわかりませんが、どうやら6両編成はあと4編成(Y114からY117まで)増備される計画のようですね。
編成番号 | クモハ313 | サハ313 | モハ313 | サハ313 | モハ313 | クハ312 | 投入年度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
Y101 | 5001 | 5301 | 5001 | 5001 | 5301 | 5001 | 2006年 |
Y102 | 5002 | 5302 | 5002 | 5002 | 5302 | 5002 | |
: | : | : | : | : | : | : | |
Y112 | 5012 | 5312 | 5012 | 5012 | 5312 | 5012 | |
Y113 | 5013 | 5313 | 5013 | 5013 | 5313 | 5013 | 2010年 |
編成番号 | クモハ313 | クハ312 |
---|---|---|
Z1 | 5301 | 5018 |
備考 | 投入年度は2010年 |
新しく投入された5000代の運用ですが、6両編成(Y113)は既存の5000番台の運用に組み込まれ、2両編成(Z1編成)は300番台の運用に入っているようです。ともに1編成しかないので、大きな運用の変更は見られません。
これまで中央線用として神領車両区に配置されていた1100番台が新たに大垣車両区にも投入されています。J編成を名乗り、10月6日までに7編成が配置されました。
前述の5000代は座席を全転換として居住性を向上させましたが、スペース効率が悪く、乗車定員も他の番台と比べて減っています。座れば快適ですが、立っている人には窮屈な車両であることも否めません。とくに乗降ドア付近の立客スペースが狭くなっており、スムーズな乗降性も低く、ラッシュ時の各停運用には向かない車両であるとも言えるでしょう。
そこで、今回の車両の置き換えにあたっては、ラッシュ対応車両として1100番台も投入されることになりました。1100番台は転換クロスシートを基本として車端部をロングシートとする1000代の4両編成で、1次車として投入された1000番台を基本に、3次車での仕様変更を受けた番台区分です。これまで1000/1100番台は、混雑の激しい中央線向けとして神領車両区にのみ配置されていましたが、今回の投入(4次車)では0代に代わり大垣車両区にも配置されることになったわけですね。
今回、大垣車両区に投入された1100番台は4次車の仕様変更のほか、神領区所属車にはない発電ブレーキを搭載しています。その他の基本システムは神領区の3次車と大きく変わりませんので、詳細は313系1100/1600/1700番台(2006年)をご覧ください。
編成番号 | クモハ313 | サハ313 | モハ313 | クハ312 | 投入年度 | 所属区所 |
---|---|---|---|---|---|---|
B1 | 1001 | 1001 | 1001 | 1 | 1999年 (1次車) 1000番台 | 神領区 |
B2 | 1002 | 1002 | 1002 | 2 | ||
B3 | 1003 | 1003 | 1003 | 3 | ||
B4 | 1101 | 1101 | 1101 | 401 | 2006年 (3次車) | |
B5 | 1102 | 1102 | 1102 | 402 | ||
J1 | 1103 | 1103 | 1103 | 410 | 2010年 (4次車) | 大垣区 |
J2 | 1104 | 1104 | 1104 | 411 | ||
J3 | 1105 | 1105 | 1105 | 412 | ||
J4 | 1106 | 1106 | 1106 | 413 | ||
J5 | 1107 | 1107 | 1107 | 414 | ||
J6 | 1108 | 1108 | 1108 | 415 | ||
J7 | 1109 | 1109 | 1109 | 416 |
上に1100番台の編成表を示します。J1編成からJ7編成までの7編成が配置されており、車番は神領区B5編成の続き番号となっています。ただしクハ312形400番台については、車番403から409までが3両編成の1600/1700番台(神領区所属の3次車)に組み込まれているため、その分の車番が不連続になっています。
さて、大垣車両区に入ったJ編成は、9月中旬よりJ1・J2編成が311系の運用スジに入っています。2編成だけですから限定運用ではなく、311系の既存車と共通運用で主として東海道線の普通列車で使われています。この運用で余った311系2本は、313系1300番台が一時代走していた117系の2運用に入っています。また、J3編成は神領区に貸し出され、9月下旬より10月中頃まで神領車両区1000/1100番台の代走で中央線を走っていました。神領所属の313系は211系との併結が大半ですが、J3編成も神領所属の211系と併結して運用されていました。その後、J3編成は10月中頃に大垣に戻り、同時期に運用を開始したJ4〜J7編成とともにも311系と共通運用で東海道線にて営業運転に就いています。
編成番号 | キハ25 | キハ25 |
---|---|---|
P1 | 1 | 101 |
P2 | 2 | 102 |
P3 | 3 | 103 |
P4 | 4 | 104 |
P5 | 5 | 105 |
備考 | 投入年度は2010年 |
武豊線向けに10両の新製が発表されているキハ25形気動車が、11月に名古屋車両区に配置されました。P編成を名乗る2両編成が登場しています。外見は313系とほぼ同一で、気動車であることに気づかなければ、313系と見間違えてしまうほどです。違いは、パンタグラフがないこと(当たり前ですが)、正面貫通ドア上の前照灯がないことぐらいでしょうか。
さて、しばらく情報がなかったのですが、12月22日になってようやく報道陣に公開された模様です。12月23日付中日新聞朝刊によりますと、
ちょうど2011年3月のダイヤ改正が発表されており、「快速みえ」をすべて4連化するとしています。キハ25形を武豊線に投入し、捻出したキハ75形気動車を快速みえの4連化に使うようです。
また、当サイトの運用情報掲示板(投稿No.2662,2665)に、業界誌に書かれた詳細情報について、ハンドルネームヒマジンさんより投稿をいただきました。以下に引用します。
日本鉄道技術協会の発行する「JREA」という月刊誌を買いました。そこにJR東海関係者によるキハ25の概要が書かれていますので、ざっと箇条書きします。
- 投入当初は武豊線〜東海道線(名古屋ー大府)を運行するが、武豊線電化後は高山線・紀勢線での使用を想定。
したがって当面の都市圏輸送と将来のローカル輸送の双方に対応する一般標準型気動車として製造。- 最高速度は110km/h、エンジンの最大出力は520PS、通常運転時は450PS、キハ75の1エンジンカット時の走行性能と同等の性能を確保。
- エンジン故障などの異常時にスイッチ操作により最高出力まで出力できるように切り替える方式。
1エンジンカット時に25‰の上り勾配でも自力走行が可能なようにした。- 車内設備は基本的に313系4次車(1300番台)と共通。これについては「当面名古屋都市圏を走行することから」とある。
- このほか、ワンマン設備、セラミック噴射装置、雪かき器を設置。
- 平成23年3月より東海道線〜武豊線を走行。
- 将来の高山線・紀勢線等における高さ760mmのプラットホーム対応を考慮してステップ付き旅客用乗降口への変更の容易化や床下ぎ装の違いによる構造変更など、必要不可欠な変更を除き、同時期に製作する313系4次車と同構造とする。
- エンジンは平成19年度製作のキヤ97形レール運搬車と同様の電子燃料制御式のカミンズ社製ディーゼルエンジン。
さて、2011年2月に追加で3編成が配備され、計5編成が出そろいました。運用開始は3月12日のダイヤ改正からと思われましたが、3月1日に武豊線直通区間快速として運用を開始した模様です。運用情報掲示板に情報をいただきました。
2011年3月改正にともなう動き
ダイヤ改正にともないキハ25は本格運用が開始されました。平日の運用を見ますと、名古屋に直通する列車(区間快速等)はキハ75およびキハ25の両方が使われていますが、武豊線内のみを運行する列車はすべてキハ25形で統一された模様です。
これまで度重なる新車の投入に対して、大きな動きのなかった117系ですが、2010年度に入りいよいよ運用撤退が始まっています。
JR東海所属の117系は、国鉄時代に名古屋地区の輸送改善を目指し、1982年に6両編成×9本の54両が投入されたのが始まりです。当時名鉄の独擅場であった名古屋地区の地域輸送に、満を持して投入された117系は、快適な転換クロスシートを備え「東海ライナー」の愛称で親しまれました。1986年には増発にともなう短編成化が実施され、4両編成×18本=72両(S1〜S18編成)の陣容となりました。これは6両を3両ずつに分割し、新造した先頭車(クハ117形100番台・クハ116形200番台)を加えて組み替えを実施したものです。片方の先頭車が、側窓形状や台車形式に違いを持つのは、このとき新造された先頭車の仕様変更によるもの。翌年、国鉄からJR東海へ引き継がれ、オレンジ色の帯を持つ東海カラーに塗色変更を受けて現在に至ります。
JR東海の117系はおもに東海道線の快速列車として活躍しました。1999年に313系が投入され、117系はラッシュ時のみの運用となりましたが、全72両の陣容は変化がありませんでした。さらに2006年には大量の313系が追加投入されたものの、やはり所属・運用本数ともに変化はなく、むしろ大垣〜米原間や浜松〜豊橋間を中心に昼間の運用が復活するなど、新車の投入が続く東海道線にありながら、かえって活躍の場を広げる形になっていました。
しかし、2010年に313系4次車の投入が始まると、運用本数にも変化が現れます(下表)。
運用本数 | 〜6月末 | 7/2〜9/9 | 9/10〜10/16 | 10/17〜 |
---|---|---|---|---|
2本 | 117(4)×17本 | 313-1k(2+2)×2本 | 311(4)×2本 | 311(4)×8本 |
6本 | 117(4)×15本 | 117(4)×15本 | ||
9本 | 117(4)×9本 |
まず7月に17本ある運用のうち、2本が神領区に配置されたばかりの313系1300番台に置き換えられます。1300番台は2両編成ですから、2本で4両編成を組み、計4本を用いて117系の2本の運用に置き換えられました。この間に、117系の1本(S9編成)がオープンスペースを持ったイベント車両の「TRAIN117」に改造されています。313系1300番台による運用は9月10日ごろまで続きましたが、大垣区に313系1100番台(4両編成)が投入されて311系の運用に入ると、余剰となった311系がこの運用に就くようになりました。
その後も313系1100番台の大垣区への投入が続き、10月には7編成が出揃いました。順次311系の運用に入り、311系の余剰車が増えていきます。そして10月17日から、さらに6本の117系運用が311系に置き換えられました。これで、定期運用を退いた117系は計8本となり、飯田線で運用中の「TRAIN117」や予備編成を除いても、6本の余剰車が出ていることになります。運用変更にともなう運用ダイヤ図を以下に示します。ファイルはPDF形式となっています。ご覧になるにはAdobe Readerが必要です。
2011年3月改正にともなう動き
ダイヤ改正にともない、117系は大幅な運用変更が出ています。2010年10月には金山〜米原間の快速から一部撤退しましたが、この運用がまた117系で復活。朝の上り米原発岡崎行きの新快速運用も復活しています。ただし、これらの運用が主となった模様で、岡崎以東、とりわけこれまで運行本数の多かった豊橋〜浜松間の運用がなくなっているようです。
現在判明している運用をブログにアップしておきましたので、ごらんください。
10月より313系1300番台の中央線・関西線での運用開始にともない、213系は13本の運用のうち4本の運用を減らしています。
213系は、211系の流れを組むステンレス車体に、客室を2扉の転換クロスシートとした車両で、117系のアップデート版とも言えるでしょう。機器構成も211系と同等の界磁添加励磁制御で回生ブレーキを備え、省エネ電車として登場しました。その一方で、3両の短編成を考慮し1M方式とされ、国鉄末期に本州と四国を結ぶマリンライナーとして配置されました。JR東海の213系は、5000番台として独自に開発・増備したものです。2扉転換クロスシートの基本構成はそのままに、機器や客室を見直すとともに2両編成とし、14本が関西線に1989年から投入されました。当時の関西線は、並行して走る近鉄名古屋線に対して見向きもされない有様で、シェアは10対0とまで言われました。この近鉄の牙城を取り崩すべく、JR東海がダイヤの改善とともに攻勢をかけたのが213系5000番台であったと言えるでしょう。このような取り組みにより、関西線は近鉄から徐々にシェアを奪っていきました。
ところが1999年、313系3000番台が関西線に大量投入されます。輸送合理化を目的とし、ワンマン運転を実施するための措置でした。213系も313系3000番台も同じ2両編成ですが、データイムの大半がワンマン運行となったため、ワンマン非対応の213系はラッシュ時のみの運行となりました。登場からわずか10年で、昼間の運用が消滅してしまったわけです。
その後もとくに転属することもなく推移します。2両編成ですから閑散区での運用にも適しているように見えますが、ワンマン設備を持たないこと、トイレもないことから、転属も容易ではなかったようです。中央線で211系の増結用として用いられるようになったほかはとくに動きはありませんでした。
しかし、2010年になると、運用に変化が出ます。12本の運用のうち、新しく登場した313系1300番台に4本の運用を譲っています。
この運用変更は10月に行われましたが、しばらく4本が神領区に留置されたままになっており、定期的に留置車両と運用車両の入れ換えも行われていました。その後、2編成(H3・H4編成)が2012年1月6日に徳庵へ甲種輸送されました。徳庵と言えば近畿車輛の工場があるところ。詳細はわかりませんが、どうやら改造が施されるようです。さらに、3月7日にもう2編成が送られ、計4編成が改造中の模様です。
2011年3月改正にともなう動き
ダイヤ改正が実施されましたが、213系の改造はまだ完了しておらず、4編成が近畿車輛へ行ったままの状態です。今回の改正とは関係なく、もっと長いスパンで改造を実施しているようです。順次改造を行うにあたり、213系が不足するため、313系1300番台を4編成先行投入したと考えられます。
新車の投入や運行変更に合わせ、311系に複雑な動きが出ています。
311系は転換クロスシートを備えた3扉の4両編成。東海道線の新快速用車両として1989年に登場し、JR東海の近郊車両としてはじめて120km/h運転を行った車両であることは、よくご存知と思います。1990年までに15編成60両が作られました。その後1999年に313系が登場すると、普通列車運用が主となりました。大半は東海道線の運用ですが、まれに中央線での運用も見られます。
さて、2010年、313系の4次車投入が行われ117系の淘汰が始まりましたが、直接313系で117系を置き換えているわけではありません。以下のような流れで置き換えられています。
詳しくは117系の項で述べていますが、117系の311系への置き換えは段階的に行われました。これは311系と117系が併結できないため、まとまった数の運用を入れ換えないと、運用に支障を来すためです。これまでに、9月に2本、10月に6本、計8本の117系運用が置き換えられ、311系の限定運用となっています。
一方、311系の運用に投入された313系1100番台は、311系との併結が可能です。したがって、混在しても問題がないことから、311系と313系1100番台は共通運用になっています。このため、311系と313系1100番台は日替わりで使用車両が変わっています。
つまり、もともと311系であった運用(15本)は313系1100番台との共通運用となり、117系を置き換えた運用(8本)は311系の限定運用となっているわけです。
ところで、117系の運用に入った311系は8本であるのに対し、投入された313系1100番台は7本で、1本勘定が合いません。おそらく、同時に投入した313系5000番台・5300番台により捻出した予備車により調製しているものと思われますが、311系はATS-Pの取り付け工事が遅れているとも言われており、臨時の運用変更も発生しているようです。311系に置き換えられた列車に117系が一時的に運用されたり、313系300番台2両×2が311系の代わりに運用されたりと、あわただしい動きも出ています。